DHL調査/95%の企業が自社のサプライチェーンにおいてデジタル化技術を最大限に活用できていないと回答

プレスリリース: 東京 03/14/2018

  • 次世代ロボットやAI、AV、ブロックチェーン、ビッ グデータ分析、センサーなどの技術が従来型の
    サプライチェーンに破壊的影響を及ぼす
  • 企業は新技術が急速に発展する中、如何に最新の技術革新や成功事例に遅れを取らないようにするかが課題である
  • 75%以上の企業が情報技術によってコスト削減が可能であると考えているものの、組織的な課題が導入の障壁になっている

ロジスティクス業界のグローバルリーダーであるDHLは、サプライチェーンにおけるデジタル化に関する最新の研究報告書を本日発表しました。同報告書によると、新しい技術やソリューションが急速に発展し、各業界のさまざまな分野に破壊的影響を及ぼす中、サプライチェーン業界もデジタル化の波に乗り遅れないよう必死です。世界各国のサプライチェーンおよびオペレーションの専門家・従事者約350名に対して行なった調査では、回答者の約95%が物理的技術および情報・分析技術といったイノベーションを最大限活用できていないことが明らかになりました。

この度発表された「Digitalization and the supply chain: Where are we and what’s next?(デジタル化およびサプライチェーン:現状と今後について)」では、lharringtonグループ社長であるリサ・ハリントン氏が、DHLの依頼を受け、サプライチェーンにおけるデジタル化技術の台頭により急速な変化と破壊的イノベーションに直面する業界の状況についてまとめています。企業が自社のオペレーションやサプライチェーン戦略に組み込む検討をすべき技術として、次世代ロボットやAI、AV、ブロックチェーン、ビッグデータ分析、センサー技術などが挙げられています。

調査の結果、最も重要な情報ソリューションとして挙がったのがビックデータ分析で、回答企業の73%が当該技術に投資していると答えました。次いでクラウド型アプリケーションが63%、モノのインターネット(IoT)が 54%、ブロックチェーンが 51%、機械学習が46%、そしてシェアリング・エコノミー(共有経済)が34%という結果になりました。一方、物理的なハードウェアについては、最も重要なハードウェア技術としてロボット工学を挙げた回答者が63%と最も多く、次いでAV が40%、3D印刷が33%、拡張現実(AR)およびドローンがそれぞれ28%という回答結果となりました。

lharringtonグループ社長であるリサ・ハリントン氏は、「間違いなく今後もデジタル化が世界中のサプライチェーンおよびオペレーションに多大な影響を及ぼし続けるでしょう。新しい製品やアプリケーションが次々と市場に投入されるにつれ、企業の選択肢は増えています。したがって、新しい技術を的確に評価し、効果を創出して競合に先んじるための道を見極めるためには、サプライチェーンのデジタル化に関して確固たる戦略を持つことが必要不可欠です」と述べています。

 企業側も新技術の検証を始めており、39%の企業が複数の情報・分析ソリューションの開発を進めていると回答しました。しかしその一方で、新しいハードウェア技術の活用を進めている企業は、全体の31%に留まっています。これが進まない背景には、従来からの組織的な課題が根底にあると言えます。ハードウェア技術の活用について、回答者の68%が信頼性を最大の懸念と挙げ、65%が変化に対する組織の抵抗を、そして64%が投資回収の不十分さや回収期間の長期化を挙げています。これに対して情報および分析ソリューションについては、回答者の78%が最大の障害として縦割りの組織体制や旧型のシステムを、次いで70%が専門知識の不足を挙げています。

 効率、柔軟性、そして顧客体験の向上に対する要求が高まる中、企業にとってプロセスのデジタル化は死活問題です。本調査結果をもとに、DHLは今後のデジタル化戦略をさらに具体化していきます。明確なビジョンと体系的な技術ポートフォリオを持つDHLは、既にデジタル化への道のりを歩み始めており、ビジネスの現場が直面する問題への解決や新しい機会の創出につながるイノベーションへの投資を行っています。例えば、ピッキング作業の効率化を実現するためにAR技術を取り入れているほか、ピッキング時間の短縮化や梱包作業などの定型業務サポートのためにロボットを活用しています。また、一部の事務作業にはソフトウェア型ロボットによる業務自動化(ロボティック・プロセス・オートメーション=RPA)も導入しています。モノのインターネット(IoT)と新しいセンサー技術により、商品の位置情報や状態をリアルタイムでお客様に提供することも可能です。

DHLサプライチェーンのチーフ・ディベロップメント・オフィサー(CDO)であるホセ・F・ナバは、「サプライチェーン業界は今、変革の岐路に立っています。新しいハードウェア技術と情報・分析ソリューションが組み合わさり、従来型モデルは、未曽有の破壊的影響を受けています。技術によってコストを大幅削減し、利益率向上を図る機会が増える一方、この変化に適応できない企業は取り残される危険性があります。DHLがこの変革の先陣を切るよう、お客様から高い期待を寄せられています。

DHLが検討している革新技術の一つがブロックチェーンです。インターポール(国際刑事警察機構)の推定によると偽造医薬品によって年間100万人の命が奪われていますが、DHLはアクセンチュア社と共同で偽造医薬品の流通防止のための施策の概念実証を行っています。本実証では、シリアル番号で医薬品を管理・追跡するシステムを用い、ブロックチェーンを医薬品のサプライチェーンに組み込みます。これによって、サプライチェーンにおける医薬品の動きを出荷単位で安全に識別することが可能となります。この技術はまだ考案されたばかりですが、将来お客様に役立つサービスになると期待しています」と述べています。

「Digitalization and the supply chain: Where are we and what’s next? (デジタル化およびサプライチェーン:現状と今後について)」については、こちら(英語版のみ)よりダウンロードいただけます。

 


【本調査に関する留意事項】

  1. 自動車、消費財、ライフサイエンス、テクノロジー、重工業など幅広い業界に属する335名の方々にご回答いただきました。
  2. ハードウェア技術および情報・分析技術の導入に関する質問項目に対して、サプライチェーン全体に変革をもたらすような導入ができていると答えた回答者はわずか5%でした。すなわち、残りの95%は技術のもたらす可能性を最大限実現できていないということを意味します。
  3. 技術革新の導入メリットに関する質問項目では、ハードウェア技術については回答者の82%が、情報・分析によるデジタル化については77%が、最大のメリットとしてコスト削減と利益改善を挙げました。